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賞味期限切れのぱん

まじめなことを書く予定ではあります

新書『日本に絶望している人のための政治入門(著:三浦瑠麗)』を読んだ感想

政治 感想

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 こんにちは。

 今回は三浦瑠麗さんが執筆された『日本に絶望している人のための政治入門』を読みましたので、感じたことを書いていきたいと思います。書評と言えるものにはなっていません。そのため、タイトルにはそのような記載ではなく感想と記載しております。

日本に絶望している人のための政治入門 (文春新書)

日本に絶望している人のための政治入門 (文春新書)

手にとったきっかけ

 手にとったきっかけは三浦瑠麗さんが書かれているというところ、著書のタイトルからになります。

三浦瑠麗さんについて

 NHK Eテレにて1月1日の深夜に毎年放送されている「日本のジレンマ」という番組があります。

www.nhk.or.jp

 政治学、社会学、経済学などの専門家と最先端の技術者たちが集まり、与えられたテーマに議論するものです。自分の全く知らない分野からの発言があるため、知っている世界を少しでも広げたいと思い視聴しています。番組自体は昨年から見始め、今年で二回目の視聴となりました。今回読んだ著者である三浦瑠麗さんは、昨年と今年の両方に出演されており、冷静な切り口と説得力のある文言で場の議論に積極的に参加していました。今回の放送で三浦さんに興味がわき、著作を検索した結果、『日本に絶望している人のための政治入門』を見つけました。

『日本に絶望している人のための政治入門』について

 僕がこの本を手に取ろうと思ったのは、「もういい大人なのに政治も経済も歴史もよくわからん…」というちょっとした焦りからです。

 正直なことを申し上げると、政治や経済なんて人生であまり役立つことはないと敬遠してきました。だから理系を選んだし、大学に進学した後も国際情勢なども特に気にしてこなかったというのが本当のところです。でも実際には、政治と経済と歴史は密接にリンクしており、どれかがわからないと体系的に理解できないということに気付かされました。つまり、今まで部分的に知っていた国際情勢の一部も理解できていませんでした。

「なぜ靖国に参拝すると他国から批判されるのか」

「なぜフランスでのテロは起きたのか」

「なぜトランプ氏はイスラム教徒を忌み嫌うのか」

「なぜイスラム国はテロ行為を起こし続けるのか」

ニュースで報道される上記の内容の結果のみを受け取っており、その理由について考えてきませんでした。その本質を少しでも理解したいと思ったことが、勉強しなければという焦りになりました。

 そこで興味のあった三浦さんの著作を調べて見つかった、著書のタイトルにある政治入門という言葉を信じて、右も左も右翼も左翼もよくわかっていない僕が読もうと決意しました。

扱っているテーマ

 本書で扱われたテーマは、以下の4項目です。

  • イデオロギー、右翼、左翼

  • 日本の政治(安倍政権、野党)

  • 地方創生とジェンダー

  • 外交と諸国との関係からなる将来性

どれも現代社会において重要な課題となっている部分です。どれも勉強になりましたが、2章の他国における野党と日本の野党の差や、3章の地方創生が特に印象に残っています。この2つは大きく関連しており、その点について後で自分の考えを書いていきたいと思います。

感想

 「本書を手にとってよかった」というのが率直な感想です。

政治入門としてとても優秀

 冒頭でも述べたとおり、僕は右翼も左翼すらもちゃんと理解しているわけではありません。資本主義と共産主義という漠然とした知識があっただけです。そのような用語についてもしっかりと定義・説明しており、わからない人にもわかるための工夫がなされていました。忘れてしまった用語を拾うために、用語リストという形でまとまっているとより良かったとは思います。とは言うものの、数ワードで定義された言葉ではミスリードとなる可能性があるため、これはこれで良いのかもしれません。

 ワードを忘れてしまった時は、説明のあった章を読み返せばいいだけですので。このように言葉の定義について厳密さを求めていたところが好印象でした。当たり前のように使われている言葉を改めて考えていた。それが説得力とわかりやすさにつながっているように感じました。

複雑ながらも理解に配慮した構成

 また、政治とは経済と歴史が前提となっています。過去にあったことが現在につながっているので、至極当然のことです。つまりある一つの出来事、例えば靖国について述べようとすると、歴史的な過去と政治的な対応の両面について述べる必要がでてきます。そのため構成が複雑になってしまいますが、節で書かれている内容を理解していれば次の節が理解できる構成となっていました。

タイトルの「日本に絶望している」というワードについて

 これからどうなっていくのだろうという漠然とした不安と、このままではどうにもなっていかなさそうな国際情勢。本著はそのような人に向けて著者なりの解を示している。現在の問題点と目指すべき形、国際情勢における今後の展望など、ダメな点を指摘するだけではなく、腑に落ちる解を用意している。説得力のある仕上がりになっているのはこの点が大きいかもしれない。

 本を読んでいて感じたのは、このままではダメだということ。だからといって、これからがダメということではなくて、問題となっている課題を建前だけで解決する姿勢がダメな原因となっている。未来はまだまだ明るくなる可能性があって、その明るさを実現するために現実を見つめていこうと考えさせられる内容となっていた。

 あと、このワードを見た時に一番に思い出したのは、やはり『東のエデン』でした。あがりを決め込んだ大人たちと将来ある若者との対立。もちろんその一面もあるのだと思う。

二大政党と地方創生の鍵

 最後に自分が本著読んで感じた政党と地方創生について書く。

 本著では海外での政党が二極化している理由は、グループを一本の軸によって分けているからと説明されていた。イギリスでは「階級」であり、アメリカでは「人種」である。日本にはそれをわけるための軸がないため、二大政党制とはならずに巨大与党と数々の野党という構成になっている。そのため、投票の際は明確な支持政党があり、投票はある意味ではわかりやすい形で行われる。

 その一方で日本の投票はわかりにくい。圧倒的に差別化が足りておらず、どの政党も同じに映る。この政党はああいう政党で、あの政党はああいう政党。そういったものが欠けている。もちろんしっかりとした調査をしている人にとってはそのようなことはないが、大多数の日本人にとってはどの野党も同じに見えてしまう一面があるのではないかと思う。

 では、どのようなことを柱として掲げることで共感を得ることができるのか。共感できるということは、相手に発言の意味を大枠で理解し、その意見に納得できるということである。そこが選挙では重要なポイントとなるのでは無いかと思う。

柱の例

 柱の例として最初に思いついたのが「年齢」である。少子高齢化が顕著になってきていることは全国民が知っていることだが、具体的な対策ができていない。そのためのつけが若い世代に及ぶことが想定される。中でも年金と介護は、すでに始まっていると言える。そのため、基準となる年齢によって支払う金額を変え、40歳から65歳までを対象として税金を高くすることによって、若手の負担を軽減させようというものである。しかし、最終的には誰もがその年齢に達するため、先のことを考えると自分の負荷が増大するだけの政策となるため、全く意味のないものになってしまう。そのため「年齢」によって線引をすることは、柱としては不十分である。そもそも高齢者の割合が高いこの時代、このような政策では過半数がとれずに負けてしまうだろう。

 そこでは本著で扱われた「地方創生」はどうであろうか。橋本知事が功績を残しており、柱としての力は十分であるように思われる。地方での得票数はもちろん、中央に出てきている地方出身者からも票を獲得できるのではないかと思う。地元の元気が年々低下しているというのはみんなが感じていることであろうし、都市部に出る必要性が低下することにより地元にとどまろうとする人も増えるのではないかと思う。できることなら地元で働きたいという需要は、相当数あるのではないかと考えられる。しかし、その際に重要となるのが仕事の有無と給与の差である。その辺りを調整することで、著者が記しているように地方創生は可能なのではないか。

政治とか経済とか難しい

 この本からはとても多くのことを学ばせて頂きました。歴史と政治の関わりであり、それに伴う経済政策。中東の問題やヨーロッパの対応。

 重要なのは考えること。なぜを追求した先に、本質が有り、本質の先に明るい未来がある。そんな気がします。もう少し政治に対する感度を上げて、見聞きしたことを考えていきたいと思います。

日本に絶望している人のための政治入門 (文春新書)

日本に絶望している人のための政治入門 (文春新書)